
”火花買ったよ”
スマホの受信箱にハニーからショートメールが届いた。
火花?花火じゃないの?
最近花火なんて楽しんでいなかったし、季節的にも花火の打ち間違い?
そう理解したのだけれど、違った。
ハニーが意味していたのは多分今一番売れている文芸書。
ピースの又吉直樹が芥川賞を受賞した話題の書籍だったの。
中学生の娘がどうしても読みたい・・・
そう決心して彼女のお小遣いで購入したもの。
貸して!そうお願いしたのだけれど、自分が真っ先に読みたいのは当然よね?
だけど、彼女が読み終わるのを待っていたらブームが去ってしまいそうだったので
しつこくお願いを繰り返し、しぶしぶ1晩レンタルに成功したの。
150ページに満たない中編小説なのでゆっくりと文章を味わっても2時間で読み終えることが出来た。
大きな事件が起こるわけでもなく、描かれるのひたすら芸人の心の動き。
こだわりをもった神永先輩と彼に憧れる徳永。
お笑いというストイックな生き場所を選んだ芸術家のこだわりと戸惑い。
徳永は作者のピース又吉さんをイメージして読み進んでしまいました。
彼が言いそうなセリフがあふれているんですもの。
深い考察に基づいたウィット。
芸人を主人公にしているだけあって、会話のテンポと伏線ともなる言葉遊びは,
お笑いアーティストだからこそ書ける文章なのかも。
さらに、お笑いという特殊な世界を舞台にしているけれど、
多分この心理の葛藤や個性はどの職業にも当てはまるものなわけで・・・
広く人間の個と他人とのかかわりを久しぶりに深いところで考えさせられたのです。
又吉さんの文章は、しっかりと描写しているの。
主人公の心の迷いと、主人公自らでさえも気が付いていない彼の中の真実を。
わたくし、あまり文芸作品を好んで読む方ではないのだけれど、
偉大なる栄誉を受けた快挙が納得できるような読書体験だったわ。
ところで、この内面のドラマがメインストリームなこの作品。
中学生の娘は理解できるのでしょうか?
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