陰日向に咲く (幻冬舎文庫)

このベストセラーの著者は幼少期をアラスカで過ごし、
1992年にスープレックスというコンビお笑い界にデビュー。
8年ほどの活動の後に解散。
総勢10名のキャラクターを一人芝居で演じて大きな注目を集めたそう。
彼の名前は劇団ひとりというそうだ。
って、あなたもご存じですわよね?
2006年に発売されて大きな話題となり映画化もされた、この小説。
今頃になって初めて読んでみました。
だって、ブックオフで、200円で売っていたんだもの。
今更だけれど、いくらベストセラーと言っても読んだ人よりは読んでいない人の方が多いはず。
ですから、あなたが、もしまだ未読だったとしたら、ぜひおすすめしたくってご紹介することにしたの。
とっても素晴らしい小説・・・
との評判は随分前に耳にしていたのだけれど、
まさか劇団ひとりに泣かされることになるとは思ってもみませんでした。
基本、小説は、わたくし読み終わると、またブックオフに引き取ってもらうために持ち込むのですが・・・
※ 村上春樹と山田詠美、そして書籍にサインしてもらったアンジャッシュ渡部の”エスケープ”以外は・・・
でも、この本は手元に置いて、たまに読み返してみたくなるだろうと断定したのです。
一見まるで関係のなさそうな5つのエピソードが、最終的に1つに結び付く演出は見事!
驚きも笑いも、そして感動・・・様々な感情をわたくしの心の中に思い出させてくれたわ。
それに彼にしかかけないのではと思うようなユニークな表現は
初めて体験する心を表現すうるための文章なのに、とっても内面の心理を見事に伝えてくれているの。
どのエピソードも感情移入して強く共感。
エピソード2の”愛の妄想力”では、売れないアイドルを応援する熱烈なファンの心情と行動を
きめ細やかに描写しているの。
アイドルは愛を返してくれることは決してないけれど、愛を受け取ってくれる。
これが一般女性であれば、好き!って告白しても断られたら、その後追いかけることは出来ないけれど、
アイドルは、その気持ちをしっかりと受け取ってくれるものね。
だから、多くの人がアイドルにはまり、多くのお金をつぎ込むことになる。
わたくしも大和姫呂未の大ファンで、fanたちはみんなが彼女のことを大好きなことを知っている。
そして、気軽に話してくれるのだけれど、一般の女性だったら、そんな風に気を使ってくれることはないし、
プレゼントなんて送ったら気持ち悪がられるだけだもんね。
とにかく、それぞれのエピソードが、それぞれの脳の別のセクションにシンパシーを生み出す。
劇団ひとりってここに書いてあることの全てを実体験したんじゃないの?
と疑ってしまうほど。
そして、ついには”OVERRUN"の後半で、ちょいと目がわたくし潤ってしまったのです。
人はみんな繋がっていて、それそれが、それぞれに生きているんだ!
そんな当たり前のことを暖かく感じさせてくれる名作だと思いますわ。
ぜひ、まだ劇団ひとりワールドを体験していないのだったら、手を伸ばしてみて!
陰日向に咲く 愛蔵版(2DVD+CD)

※ ちなみにですが・・・
わたくしの短編小説・・・”チェーンリアクション”も
関わりをもった登場人物が次々と主役をバトンタッチしていく構成・・・
真似したわけじゃないわよ。
『チェーンリアクション(短編小説)』
愛欲は連鎖する・・・愛欲リトルホラー小説です。

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