彼がスパゲッティを茹でている間にかかってきた電話は彼のことを知っている女性だった。
でも彼には相手が誰だかはわからない。
”10分だけでいいから時間が欲しいの。そうすればお互いよくわかりあうことができるわ。”
このまでのストーリーを頭の中にインプットした俺はこう思ったんだ。
この本読んだことがある。
俺が目で追っていたのは村上春樹の”ねじまきクロニクル”
分厚い小説第一部の序盤部分だ。
1992年に村上春樹が発表し、その後2部、3部と時間を経過した後に続いたストーリー。
初めて購入して読んでいるはずの、この書籍なのに、デジャブー?
頭の片隅にこの文脈を辿った記憶が確かに存在している。
間違って同じ本を再び購入してしまった?
そう納得したのだけれど、先のページに進むにつれて、その解決が揺らいできた。
いや、この展開は全く俺の脳みそには刻まれてないし、過去の記憶から辿ったレールからも、
どんどんと話の進むべき道筋は外れていくんだ。
これは、どういうことなんだろう?
村上春樹の本はかなり読んでいるし、どの1冊も俺には印象深く、
一度読んだ体験があるのにもかかわらず、全く記憶できていない・・・
ということは、ちょっと考えにくいこと。
彼の著作によく描かれるように、別の世界で俺が意識しないままに、体験した読書時間だったんだろうか?
そんなスペースに入り込めるとしたら、それも悪くない。
疑問を感じながらも、ページに戻り、村上ワールドへ。
再び日常から抜け出す。
一部を読み終わって二部を読み進める。
加納マルタ?
この登場人物の名前とキャラクターにもお目にかかったことがあるような気がした。
ところがストーリーは初めて辿る新しい道。
なんか不思議な気分。
二冊を読み終わった後に、グーグルに疑問の文章をタイプしてみたんだ。
こういうことだったんだね。
短編集『パン屋再襲撃』に収録された「ねじまき鳥と火曜日の女たち」を改稿したものとなっており、『ねじまき鳥クロニクル』の第1稿が執筆された後、推敲によって大幅に削られた部分が後の『国境の南、太陽の西』となった。
この小説で取り上げた、戦争に代表される大きな暴力の根源がどこにあるのかという疑問が、後に『アンダーグラウンド』『約束された場所で』の執筆の大きなきっかけとなった。また、『日出る国の工場』で取材を行ったカツラ工場の話題が作中に登場し、ノモンハン事件を取り上げたことで雑誌社から声が掛かりノモンハンへと旅行している。
ウィキペディアより。
以前読んだ短編が元ネタになっており、
そこから派生したストーリだから、以前にも会ったことがある不可思議な空気を感じていたわけ。
言われてみれば、村上氏の著作には同じ登場人物は何作かにわたって登場するケースも多い。
双子の姉妹だったり、鼠男だったり、牛河だったり・・・
この奇妙な登場人物たちは村上ムービーの達者な役者たちなんだろう。
そして、俺たち読者もその映画の中に半強制的に参加させてしまうところが彼の文章力のすごいところ。
まだ三部を読んでいないけれど、
早く続きの悪夢を体験したい。
自分の心の中の謎を緩めるためにもね。




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そして、何度も読んでも飽きられないことか。
最近の新作に登場した曲が小説を読めれば読むほど聞きたくなった、ついCDを購入しました。曲を聞きながら、小説を読んで、なんとか、村上春樹さんと同感したような感じをします。おすすめです。
ちなみに、ブログにも感想を書いていた。是非、ご覧ください。
http://classiccat.seesaa.net/article/360915229.html?1368436377
俺もやってみます。
村上ファンとして、曲を聞きながら文章を目で追うことは、一大の楽しみですね。是非やってみてください!
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