1990年に発表された6作からなる作品集。
TVピープル (文春文庫)

長編の文学的だけれど読みやすい作品が多いイメージのある村上氏だが、
こんなブラックユーモア的な作品も描写したりするのね・・・
とちょっと意外だったり・・・
タイトルのTVピープルは彼の他の作品の多くに描かれる別の世界がコンパクトに描かれていたもので非常に村上ワールドという気がしたんだけれど・・・
他の作品は途中で誰の小説を読んでいるのかわからなくなったり・・・
そんな作品の中でも俺が一番共感したのは、
一番最後に収録された”眠り”
これはある主婦が眠れなくなり、しかも何日も眠らないままなのに、体に不調も怒らずに
身体的にもキレイになっていってしまうという世にも不思議な出来事。
眠れなくなった彼女は最近はめっきり行わなくなった習慣読書にのめりこんでいくわけ。
日々の家事を義務として淡々とこなしながら、心の中では一刻も早く
現在読み進めているアンナ・カレーニナの世界に戻りたくてしょうがないの。
この本の世界に一刻も
早く戻りたい!って気持ちが俺の中にも
”ある、ある!”
と大きく賛成の挙手をしてしまったのです。
普段あまり小説は読まない俺。
実用本ばかり鞄の中に持ち歩いているのだけれど、
たまに楽しみのために読む村上春樹や山田詠美。
彼らの作り上げた完璧な虚像の世界は
スリリングかつ居心地がいいんだよね!
なので俺も村上氏の1Q84なんかを読んでいるときは
この物語の主人公のように早くその別の世界に戻りたくてしょうがなかったもん。
こんな戻りたい別の世界、入り込める世界・・・
こんなエリアが現実の日常生活にもあればいいのに・・・
いやなくてはならないんだろうなぁ
なんてこともこのストーリーを体験して感じたの。
だけど、この物語のラスト、
結構難解・・・
これは眠りのない世界を壊すための事件なのかしら?
1Q84: Books 1, 2 and 3

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