2011年06月05日

哀れな乗客

”てめえ次の駅で下りろよ!”

南千住駅に近付いた日比谷線の社内で大きな声が響きわたったんだ。

久しぶりに新宿まで遠征して友人と飲んだ後の最終に近い電車。
週末ですから相当に混み合っております。
南千住駅に到着して電車のドアが開く。

俺よりも少し下位の年代の男が50代か60代のおじさまを電車から押しだしている。
めげずに乗り込んでくるおじさま。

電車はまた動き出した。

再度大きな怒鳴り声が響きわたった。

”てめえなんでおりないんだ!”

相当車内は混雑していたので、割と俺からは近い距離ではあったけど、
その間に4,5列の人の壁があったの。

すぐ目の前だったら性分的に放って置くこともできないし・・・
この離れ具合はラッキー?

言葉の発音が不明瞭なので、ちゃんとは聞き取れなかったけど、
その後も荒々しい声は続く。
被害を受けているおじさまは黙って耐えるだけ。

どうも混雑している車内だから、このおじさまがこの荒々しい男をPUSHしてしまったとか、
そんなたわいもないことが彼の逆鱗に触れたみたい。

男はおじさまの胸ぐらをつかんで荒々しくゆする。

”てめえ次の駅で下りろよ!”

再度繰り返される挑発の言葉。

彼らのすぐ隣にいた優しそうなメガネの紳士が男をなだめようとするけれど、
男は彼にも怒鳴り声を向けて噛み付く。

当然めがね紳士以外は見て見ぬふり。
かかわって命を落とすことだってありえる世の中だもんね。

たとえ被害を受けているおじさまに落ち度があったとしても、
その報復は目にあまりすぎるわけで・・・

かわいそう。
本当にそう思ったよ。

被害者の方じゃなくて・・・

加害者の方ね・・・

こんな年齢でこんな風に切れてしまうなんて、
多分発達障害だったり、脳の細胞に欠陥をかかえているはず。

電車の中で怒鳴り声をあげる人たちって一般の健康な心の持ち主では絶対にないもんね。

こんなにしょっちゅうイライラしていて、不満をぶちまけてしまう人格。
彼が・・・俺って幸せだなぁ・・・なんて思える時間があるんだろうか?

せっかく神様からもらった大切な時間とかけがいのない命。
その素晴らしさを理解できないまま、苦悩だけで生きているわけだからね。

とは言っても、多くの犯罪者もそんな欠陥をかかえているわけで・・・
同情したり哀れんでいても仕方がない。

とにかく今救わなくてはならないのは健康な一般のおじさま乗客なのだ。

”うるさい!”

女性の声が響きわたった。

”誰だ?今言ったのは!”

男が声のした方向に言葉のパンチを繰り出す。
その後女性はその挑発には答えなかったけど、

”かっこいいわぁ・・・”
と俺は思ったのです。

おじさまの顔面には今にも拳が富んでいきそうな気配。

少し離れている俺は周りのみなさんと同化して見て見ぬふりをするのも気が咎めたので・・・
携帯を取り出して110をダイアルしてみたよ。

”警察ですか?”


”・・・・・・”

”警察ですか?”

”交番です。、ちょっと聞こえにくいんですが・・・”

犯人に聞かせてやろうと思って電話したんだけど、
内心俺もびびっていて小さな声になってしまったのかも?
電車内なので電波が悪いという理由もあるんだとは思うけど・・・

でもでも
男が
”てめえ、どこ電話してるんだ!”
という罵声を当然俺に浴びせかけてくると予想していたのに、それがなかったから、
やはり、びびって小さな声になってしまったのかもしれない。

”もうすぐ北千住駅に着く電車の中でチンピラが騒いでいるんですけど・・・”

”JRの北千住駅ですね?”

”いえ日比谷線です。もうすぐ北千住駅に着きます。”

しかし、思ったより早く電車は北千住に到着。

多くの乗客が長細い箱の中から押し出されあふれ出ていったの。
一瞬俺は該当の2人を見失い・・・
別の後ろ姿を犯人とみ間違えてしまったのさ。

”もう大丈夫そうです。”

しかし、実際の該当の人々はホームのベンチ近くにいて・・・
(さっきの優しいメガネの紳士も’)

やべ、間違えた・・・
と俺は気がついたの。

だけど、すぐに駅員さんが走りよって彼らの仲裁に。

それを見届けて再び俺はさっきまで滞在していた電車に乗り込んだのです。

それにしても駅員さんって大変な仕事だよね!
理不尽な暴力に向かっていくことも仕事のなかでは避けられないこと。

あまり意識する人はいないかもだけど、勇気がなければ勤まらない仕事です。

もっと脳の健康状態を定期的に管理する定期健康診断みたいなものがあるといいのに・・・
将来的には絶対登場すると俺は予測しているけど・・・

そうすれば多くの犯罪やトラブルが未然に防げてより多くの人が幸福な生活を送ることが出来るのにね・・・



Kaoluのあるある大日記!サイトマップをCHECK?
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック